「どうしたの?」


手首をギュッと握る私に、宗介くんが心配そうな目をする。


「ううん……。大丈夫……」

「そっか……」



宗介くんは何も聞いてこない。


私がこの公園に来る理由も、決して来ない待ち人のことも……。



「葉月ちゃん、細いね……」

「あ……、うん。そうかな?」

「そうだ!ご飯、食べに行こう!」

「え……?」


そう言って立ち上がると、宗介くんは私の手首を握りしめて歩き出した。



人の温もり……。



手首が、熱い……。