「なんで、そんな顔……、するの?」

「葉月さんが辛そうだから……」

「そっか……。ごめん……」


和志がいなくなってから両親も友達も、私を寂しそうな顔で見る。


今日知り合った他人の成海くんにまでそんな顔をさせてしまったと、心の底から申し訳なく思った。



「成海くんはずっとこの辺に住んでるの?」

「いや……。あー、学生の頃は……」


成海くんは高校を卒業して他県に就職して引っ越したと教えてくれた。


「父親が病気で戻って来たんだ……」

「そうなんだ……」


それからも色々話をしてくれる成海くんに耳を傾けながらも、私の心は上の空だった。


ただミルクティーを握りしめながら、その温もりが冷めていくことに寂しさを感じていた。


ここにいない和志の温もりがなくなっていくようで悲しかった。