隣に座った成海くんを見ると、彼の手にはミルクティーが二つ握られていた。


その一つを私に差し出して、


「間違って買ってしまって」


と笑った。


「冷たいのが飲みたかったのに……」


そう言った成海くんから受け取った温かいミルクティー。


その温かいミルクティーを握りしめて、私の目から涙が溢れた。


「どうしたんですか?」

「大丈夫……」


私は俯くことしかできなかった。



私が和志と出会ったのはこの公園。



そしてこのベンチ。



簡単に言うとナンパだった。



和志にミルクティーを貰った……。


今のように、


『間違って買ったから』


と言って、和志は照れながら私に温かいミルクティーを差し出した。