「もーっ和哉は女心が全くわかってないよ!」


しょんぼりして涙目になる私を見て奈々ちゃんが助け舟を出してくれた。


「女から見てもぶりっ子できる子ってすごいと思う。
けど、自分がやりたいかっていったらそうじゃないんだよねー」


奈々ちゃんは私の頭を撫でながら言った。その手は心地よくて、励ましてくれているんだなってわかった。


「女の子はさ、素の自分を愛して欲しいんだよ。

ワガママな自分も素直になれなくて可愛くない自分もわかってる。

だけど、好きな人にはそんな自分を受け入れてほしいの。

ねっ?早紀」


そう、それなの!

私は心の中で叫び、数回深く頷いた。


別にぶりっ子が大嫌いってわけじゃない。

好きな人に「可愛い」って思われたいのは当たり前。


だけどね……、素の自分を愛して欲しいからこそ、自分を作ることに抵抗してしまうんだよ。