「もしもし、綾乃さん?」



「うん、どうしたの?海君。」



「何があっても兄さんの事信じてあげてください。」



「はっ?急にどうしたの?」



「週刊誌に・・・兄さんと和美さんの熱愛が報道されたんです。」



「えっ・・・?」



「ホテルに一緒に入っていくのを、週刊誌に報道されたらしいんです。」



ホテル・・・?もしかして、この前の接待?



「大企業のお嬢様とお坊ちゃまですからね、2人は。


そういう情報も漏れるんです。


今、こっちも大慌てですよ。


でも、何で事前にもみ消せなかったんだろう。


とにもかくにも!


綾乃さんは兄さんを信じてあげてください!


じゃあ!」



ガチャ。



海君は自分の言いたい事だけ言って電話を切ってしまった。