ふたり




翌朝は


一晩中 泣き明かして


ひどい 重たいまぶたで



朝食の時も 言葉を交わすことも なく




「じゃ、行ってくる」


玄関で見送る結に


低い声で呟くと


「行ってらっしゃい」


結は笑顔で言った




「柊ちゃん、早く帰ってきてね」




結の顔を声を聞く度に


胸は
押し潰されそうなほど苦しくて



「うん」小さくうなずき
家を出た













――――――――――バタン




玄関の扉が閉まり



1人 玄関に残される


「柊ちゃん、ありがとう」



「私ね、本当に本当に
幸せだったよ」




たくさん泣かせてごめんなさい




リビングに戻り



ケータイをかける



―――トゥルルルル……


3回目のコールで繋がって



「お久しぶりです。
藤代 結です」


「………あぁ……君か」


「はい」


「……電話をくれたって事は…」


「はい。田所先生
あの時の約束…………
約束の時が来ました」


「………君は本当に後悔しないのかい?」


田所先生の言葉に


目を閉じた


浮かぶのは 愛しい柊ちゃんの顔


「後悔なんてしません
田所先生……
よろしくお願いします」



柊ちゃん さよなら