「電気、消してもいい?」



ベッドで横になった結に訊くと



「うん」



絆を抱いて うなずいた



パチン
スイッチを押すと


寝室は闇に包まれ


ベッドに入り結を抱きしめた



オレと結の間に絆が きゅうくつ そうに してる



結の身体は温かく
湯タンポみたいだ



「柊ちゃん」


「うん?」


「動物園、楽しかったよ」


嬉しくて 笑みが こぼれた


そっか。良かった


「象もピエロもカレーも観覧車も」


「うん」


「全部、全部、楽しかったよ」


「ん」


「私、肩車って初めてしてもらったよ」

「……ん」


「すごく高くて少し怖くて
だけど、ワクワクした」


…………結?


「柊ちゃん、こんな事を言っては いけないかも」


「結?」


「だけど、あたし、思った」


結がオレの目を見て


「病気になった事、悪い事ばかりじゃないなぁって」