春だった
結が卒業して すぐに 二人きり
小さな教会で式を挙げた
控え室で 見た結の花嫁姿は
まぶしくて
あぁ、この子が本当に自分のお嫁さんになってくれるんだって
胸が ふるえた
少し照れたように笑った結は
「先生、七五三みたい」
オレのタキシード姿を からかった
どうせ童顔だよって言い返してから
「もう、オレは『先生』じゃないよ」
結は 「そっか」と呟いてから
「どうしよう」って困って
「藤代さん?」
「結も藤代さんだろ?」
「う~ん………」
「名前でいいよ」
「シュウサン」
「………なんか中国人みたいでヤだ」
あごに手を あてて 考え込む結は すごく可愛かった
呼び捨てでいいよ と言おうとした時に
「じゃ、柊ちゃんって呼んでいい?」
明るく笑う結に
少し困ったのはオレだった
柊ちゃん は生徒に さんざん呼ばれてたから



