夕方になったとはいえ残暑厳しい、茹だる様な暑さが残る中を自転車を並走させてやって来た二人にとっては、神社の境内は正に天国だった。
緑を生い茂らせた樹々が、拝殿へと続く石階段に覆い被さる様にして陽の光を遮っている。
鳥居をくぐり、石階段に作られた日陰に入るとヒンヤリとした空気が火照った身体を癒してくれた。
「涼しいぃ」
由姫は両手を頭の上で組んで軽く背伸びをする。
ただでさえ下着が見えそうなくらい短いスカートを穿いているのに、そんな体勢になると更に扇情的な様相を呈する。
しかも自分よりも二、三段高い位置でそんな事をやられたら、普通の男ならば間違いなく目の遣り場に困るだろう。
しかし、由姫と共に神社に来た空也はそちらには目もくれず、真っ直ぐに階段の頂上を見据え、無言で彼女の横を通り過ぎて行く。
彼女なりの計算があったのか、敢えて彼を誘惑する様なことをしたのかは判らないが、無言で自分の横を通り過ぎて行った空也の後ろ姿を軽く睨み付けた。
「待ってよぉ、前田く~ん」
由姫は表情とは裏腹な甘い声を出して、空也の後を追う。
緑を生い茂らせた樹々が、拝殿へと続く石階段に覆い被さる様にして陽の光を遮っている。
鳥居をくぐり、石階段に作られた日陰に入るとヒンヤリとした空気が火照った身体を癒してくれた。
「涼しいぃ」
由姫は両手を頭の上で組んで軽く背伸びをする。
ただでさえ下着が見えそうなくらい短いスカートを穿いているのに、そんな体勢になると更に扇情的な様相を呈する。
しかも自分よりも二、三段高い位置でそんな事をやられたら、普通の男ならば間違いなく目の遣り場に困るだろう。
しかし、由姫と共に神社に来た空也はそちらには目もくれず、真っ直ぐに階段の頂上を見据え、無言で彼女の横を通り過ぎて行く。
彼女なりの計算があったのか、敢えて彼を誘惑する様なことをしたのかは判らないが、無言で自分の横を通り過ぎて行った空也の後ろ姿を軽く睨み付けた。
「待ってよぉ、前田く~ん」
由姫は表情とは裏腹な甘い声を出して、空也の後を追う。