「ホントに寝てたんじゃないのか。まあいい、文化祭のクラスの出し物について話し合ってたんだ」

「それを僕が仕切るんですか?」

人を纏める力がない自分が、何故選ばれたのか理解に苦しんだ。

「そうだ。何事も挑戦だぞ、佐々木」

「はぁ」

頼まれたことをあまり嫌とは言えない性分でもあり、人に注目されているこの状態が嫌いな優は、気のない返事をすることしか出来なかった。

「じゃ、頼んだぞ。あと、女子の方は…副委員長がやってくれ」

「はい」

優の右隣りの席で、涼子はコクンと頷いた。