いきなりこんな空間に放り出され、訳の分からない状況に不安と苛立ちが入り交じり、その感情を更に加速させていく。

正に手も足も出ないというどうにも出来ないこの状況に、イメージの中で頭を掻きむしっている。

ーー覚醒せよ…

(……うる…さい)

ーー覚醒せよ…

(……止めろ)

いくらその声を遮断しようと努力したところで、思念体である者にとってはどうする事も出来なかった。

ーー覚醒せよ…

ーー覚醒せよ…

(頼むっ! ……止めてくれ…)

既にその声は幾重にも重なり、不協和音の様に頭の中で鳴り響いていた。

ーー覚醒せよ…

ーー覚醒せよ…

ーー覚醒せよ…

(止めてくれえぇぇ!!)