「もうすぐ文化祭だからな。組の出し物決めるぞ」
二年二組の担任である正木 勝が教卓に両手をついて、皆を見渡しながら喋っている。
如月高校は全学年六クラスまであり、一クラス平均が約三十人だ。
体育祭は毎年五月に行われているので、夏休みが明けての最初の行事は文化祭ということになる。
「まず、何をするかだな」
正木はそう言うとクラスの委員長である松下 一希の方に視線を移す。
「じゃ、あとは頼んだぞ、松下」
「え? 俺? 勘弁してよぉ」
松下が口を尖らせて、不服そうに声を上げる。
「何言ってんだ。お前、委員長だろ」
正木は有無を言わせぬ口調で告げたが、松下は一切動じていない。
「クジ引きで決められただけじゃん。それに部の先輩の陰謀で、模擬店仕切らないと駄目だし… その上、クラスまでなんて出来ねえよ」
憮然とした表情で喋る松下の言葉を受けて、正木が教室の一番後ろに立っている副担任の顔を見る。
腕を組んで立っていた副担任の斉藤は軽く頷いた。松下の言葉の真偽を、彼の所属するバレー部の顧問である斉藤に目で確認したのだろう。
二年二組の担任である正木 勝が教卓に両手をついて、皆を見渡しながら喋っている。
如月高校は全学年六クラスまであり、一クラス平均が約三十人だ。
体育祭は毎年五月に行われているので、夏休みが明けての最初の行事は文化祭ということになる。
「まず、何をするかだな」
正木はそう言うとクラスの委員長である松下 一希の方に視線を移す。
「じゃ、あとは頼んだぞ、松下」
「え? 俺? 勘弁してよぉ」
松下が口を尖らせて、不服そうに声を上げる。
「何言ってんだ。お前、委員長だろ」
正木は有無を言わせぬ口調で告げたが、松下は一切動じていない。
「クジ引きで決められただけじゃん。それに部の先輩の陰謀で、模擬店仕切らないと駄目だし… その上、クラスまでなんて出来ねえよ」
憮然とした表情で喋る松下の言葉を受けて、正木が教室の一番後ろに立っている副担任の顔を見る。
腕を組んで立っていた副担任の斉藤は軽く頷いた。松下の言葉の真偽を、彼の所属するバレー部の顧問である斉藤に目で確認したのだろう。