また、あの声が頭の中に響いてくる。昨日の時よりもハッキリと聞こえている。

ーー覚醒せよ!

相変わらずその声は、エコーがかった様な物で男女の判断はつかなかったが、音量という意味合いではかなり鮮明に聞こえてくる。

ーー覚醒せよ!

未だにこの夢が何なのかーーいや、夢かどうかさえ定かではないがーー全く解らなかったが、一度経験してる事なので、昨日程の動揺は優にはなかった。

いつも通りの学校生活を過ごして、何の変わり映えのしない一日を終えて床に就いた時には、既にこの不思議な体験の事はすっかり忘れていた。

ただの夢だと割り切っていたこともあり、昨日も深く考えることはなかった。

ただ、普段の夢よりはかなり明確に内容を覚えていた、という印象しかなかったのだ。

ーー覚醒せよ!

昨日と同様に深い闇に包まれている。

何もかもを飲み込んでしまいそうな黒が辺りを支配していたが、昨日の闇とは少し違和感を覚えた。

体の感覚があるのだ。

昨日は魂が浮かんでいるという感覚だったのだが、今は体が浮かんでいる感じだ。

ーー覚醒せよ!