「本当だ」
相沢くんは私の手を両手で包んだ。
「大丈夫、大丈夫だから」
驚いた。私の手の震えをどうにかしようとしてくれたんだ。相沢くんの手の熱が私の頬まで熱くした。
「ま、伊達メガネなら学校ついて演劇部の奴当たれば何とかなんだろ」
「…」
「それまでは…学校着いてからは俺の背中で顔隠しとけ」
む、無理だよ!!
相沢くんほど目立つ存在はないよ。
「登校中は…帽子深く被っとけ」
相沢くんが被っていたキャップを私に被らせた。
帽子被るって…、むしろ目立たないかな?
それしかない…よね。
「…分かった」
私は下を向いたまま返事をした。
すると、
ガッ…!!
相沢くんは両手で私の顔を持ち、正面に向けた。
近い!!


