「私は…、……叶くんが好きです」
「……、そっか」
相沢くんは視線を落とした。
「あー…マジか。へこむな…」
「私…、中学でのイジメが原因で人と関わるのがずっと怖かった。目立たず、ほそぼそと普通の高校生活が送れたらそれでいいって」
「…」
「最初は、人気者の相沢くんと関わるなんてありえないと思ってたの」
「え、」
「でも、相沢くんを知るほど、仲良くなりたくて、近づきたくて…」
「…」
「思えば、男子で初めてちゃんと話した人で、図書室でパンを分け合ったのも、一緒に登下校したことも、メールも電話も、全部ドキドキして、それはちゃんと恋だったの」
「…。」
「私は、相沢くんのこと…好きだった、初恋だったの」


