それは初恋で、





そんなのはつかの間。



人に流されて、
勝手にもてはやされ、
蔑まれるまでに時間は掛からなかった。



もう二度とあんな思いはしたくないから、




信じない。

信じちゃいけない気がするの。



まだ、こんなにも
寂しくて
悲しくて
辛い気持ちが残ってる。



相沢くんが言うなら…、なんて油断がまたいけない気もするし。

私の気持ちはグラグラと揺れっぱなしで振り切れない。


希望と恐怖が何度も何度もぶつかり合って、信じたいのに信じきれない。

自分が嫌になる…




「藤沢、次どっち?」

「……」

「藤沢?」

「え、あ…さっきのとこ」

「マジ!?」




キキィーーーッ!!

ガシャン




私は慌てて急ブレーキを掛けた。

サドルの位置が少し高くて、ブレーキを掛けたときに足が爪先しか届かず、バランスを崩した。

籠から相沢くんの鞄が落ちかけて咄嗟に押さえようとして腕が顔に当たり、メガネが…落ちた。




カッシャーーン、カラカラカラ…!!!