「どうだった?」 早紀ちゃんが後ろから声を掛ける。 「うん、出来たよ」 「亜希、頑張ってたもんね」 「叶くんに教わったものばかり出てて…あ…、叶くん、来てないね…」 「そう言えば。まだ腹の調子悪かったりして」 「…」 「亜希? 大丈夫?」 早紀ちゃんがおでこを合わせる。 「やっぱり、ちょっと熱い。熱あるんじゃない?」 「そ、そうかな? いつもより調子いいよ」 「それは危険ね…」 「え…?」 「無理しないこと!」 「…うん」 叶くんが気になりながらも、次の試験も難なく乗り切った。