1日が、こんなにも短く感じるのは初めて。
過去を過去に感じられた。
こんな日が、ずっと続けばいいのに…
なんて、
普通の高校生活を望みながら、私は自らタブーへ足を踏み入れてしまっている。
「あ、あそこ。あそこの角、俺ん家」
私は相沢くんの指差す方を見る。
すると、相沢くんの家から人が出てきた。
「げ、アネキ。」
「あ~、春樹。あれ、その子は?」
「クラスの子」
「ふーん。 沙枝ちゃんに言ってやろーっ!!」
「ばーか。藤沢送ってくる」
「はい、はーい」
沙枝ちゃん…
彼女、かな?
そういえば、今朝そんな話してたの聞こえたかも。
忘れてた…
相沢くんに好意を寄せている人からの当たりを気にしていたのに。
私が幸せと思う今は、
彼女に申し訳ないこと…なんだ。


