それは初恋で、





“…あぁ、2人とも一緒だ。心配すんな、すぐに戻る”




そういえば私、連絡するの忘れてた。



湊介さんが携帯を取り出して、私も最初から携帯の存在に気づいていたら、もっと早く早紀ちゃんに辿り着いたのに、なんて。




「幸、春樹に連絡してなかったのか?」

「え、メール…あ、遅れてなかった」

「何やってんだよ。みんな心配してたからちゃんと謝っとけよ」

「うん…」




叶くんと湊介さんが話をしている後ろで、早紀ちゃんは私のそばに寄って呟いた。




「亜希、ありがとね」




私は…何か出来たのかな…?





私は、そっと早紀ちゃんの手を取り、少し力強く握った。


みんなの所に戻るまでの間ずっと。