早紀ちゃんが気になって外へ出たものの、どこを探していいか見当もつかず。
右? 左?
イヤ、早紀ちゃんなら真っ直ぐかな?
なんて勘でとにかく私は辺りを見回しながら走った。
しばらくして、公園のベンチで泣いている早紀ちゃんを見つけた。
「叶くん!」
「居た?」
「うん、それで…叶くんはここで待ってて…」
「…分かった」
迷った。
泣いている早紀ちゃんに私は何をしてあげられるだろう。
慰めや励ましの言葉すら出てこない。
やっぱり、一人にして欲しいかな?
でも、私は今早紀ちゃんの側に居たい。
私の足は早紀ちゃんに向かって進んでいた。
すぐ前まで来て、立ち止まり、ハンカチを差し出した。
早紀ちゃんは顔を上げた。


