「それ、違う。昨日引っかかったとこの応用。この場合は…何、にやけてんの」 「え? あ、ごめんなさい!! 嬉しくて…」 せっかく教えてくれているのに、私は嬉しさに浮かれて問題を間違えてしまった。 「嬉しい?」 「間違えて嬉しいわけないだろ。な、藤沢」 「あ、うん。ごめんなさい、叶くん。間違えて嬉しい訳じゃなくて、こんな風に、友達と友達の家で勉強会みたいなことって少し憧れていたから…」 「…」 「ふ~ん。ただの友達?」 叶くんは顔を近づけた。