「メガネ取るの本当に嫌なんだな」
「…うん」
「分かった、もう言わねーよ。ごめんな」
相沢くんは反省文を書き始めた。
私は、じっとそれを見ていた。
「…何か、すっげー気になんだけど」
「ご、ごめん。私、出てるね」
私は席を立ち教室を出ようとした。
すれ違いざまに、相沢くんは私の腕を掴んだ。
「座ってて」
「え、でも…」
「良いから。ガン見だけ止めて」
「ご、ごめん。わかった」
私は座り直した。
座っているだけで、私はすることがなかったから、相沢くんを見てしまっていた。
相沢くんの目に少し掛かる髪とか、鼻筋とか、少し尖り出した唇とか、ペンを持つ手とか指とか爪とか字とか…
そんなに見られたら気が散って当然だよね。
座っているだけって難しいな…
自然と視線を奪われてしまう。


