「藤沢、無駄とか言うし」
「え、ち、違うよ。相沢くんの時間がもったいないっていう意味で、だから、その…私にとっては凄くありがたくて、貴重な時間…デシタ」
「あはは、冗談。何焦ってんの。ちゃんと、分かってるって!」
からかわれた…。
「でも、正直そう思われたのはショックかな。俺、無駄とか思ってないし。いつでも話聞くから、遠慮すんなよ」
あ…そっか。私が、相沢くんにとって私の話なんて無駄な時間だと思うことは、それは失礼なことなんだ。
相沢くんが真面目に話を聞いてくれて、真摯に話してくれた時間をそんな風に私が言ってはいけなかった。
内容はともかく、私の話に対して相沢くんがちゃんと受けて返してくれたのに相沢くんにとっては無駄な時間だなんて勝手に思ってはいけない。
「あの、ごめんね…」
「そっちじゃない方」
「え?」
そっちじゃない方ってどっちだろう…
「『ごめん』より『ありがとう』の方がいい」
ありがとう…!
そうだね、私と真摯に話してくれたことに対してお礼を言わなければ。
私はコミュニケーション能力が低すぎるな。
だから、余計に中学時代は上手くいかなかったのかな。
「…ありがとう」
私は心からお礼を言った。
「あ、今の良いかも!」
「!?」
「そんな感じ! 今、ちょっと笑ってた。今の、メガネ取って見たかったな」
私は過剰反応し、両手でメガネを押さえて首を横に振った。 相沢くんは陽気に笑った。


