それは初恋で、





お昼休みが終わり、その後の授業も雑念だらけで受けてしまい、頭に全然入って来なかった。



放課後。



「亜希。じゃ、私先に帰るね。ま、色々と気を付けて!」

「???」

「じゃ、ね」



早紀ちゃんはそう言って教室を出て行く。



「あ、早紀。今日バイト?」

「うん」

「今日店行くからサービスして!!」

「OKー、任せて♪ じゃ後でね」



私は、教室の入り口でのそのやり取りを見て、当たり前だけど早紀ちゃんには私以外の友達がたくさんいて、それでも私の側にいることを選んでくれたんだと改めて思って嬉しい気持ちになった。

同時に私もクラスメイトと他愛のないの会話をしてみたい…なんて思った。



空白の2年と闇の1年の中に、そんな会話はなかった。

いつだって、独りだったから。


メガネを外した数日間だけ、それに似た会話をした気もする。