廊下からは相沢くんと誰かの明るい何気ない会話が聞こえた。
「亜希、何もされてない??」
「大丈夫だよ」
やっぱり。心配してくれていたんだ。
嬉しい…こんな人が私の友人でいてくれる。
自分が殻に閉じ籠ったせいで出遅れて、名前すら覚えてもらえない私でも新しいクラスに馴染む望みを持ってもいいかな…?
「相沢と話してたの? 珍しいじゃん!! 一歩踏み出した?」
早紀ちゃんは嬉しそうに言う。
「…うん、そうなのかな? 相沢くんて良い人だね」
「ん? ぁ~、アイツも珍しいタイプだからね」
「早紀ちゃんは仲良いの?」
「中学時代ずっと同じクラスだっただけ。特に仲良くはないよ。アイツは誰にでも分け隔てないっしょ? 変わらないよ。中学から、みんなの中心的存在」
「そうなんだ…」
同じ中学時代なのに、やっぱり人それぞれ大違いだなぁ…
クラスの中心的存在かぁ
私もある意味ではそうだったかな。
標的の的みたいな。


