その声は…
「相沢くん…」
「ほぃッ」
「え、あっ…!!」
ドサッ
バサッ
バサバサッ
……。
相沢くんは、私にパンを投げた。
私はとっさに両手で受け取り、持っていた図書を足元に落とした。
「何やってんだよ、片手キャッチだろっ」
「む、無理だよ!」
「あはは、嘘。わりぃ。それ食えよ。売店行ったらちょうど2つ残ってたから。藤沢まだ飯食ってないだろ?」
「…え、うん。そんな、悪いよ。手伝ってもらったの私の方なのに…」
「気にすんなって。コレ、反省文の詫び、先払い。ほら、食えって」
相沢くんは、自分の分のパンの袋を開け、私の口に押し込んだ。
「美味いか?」
私はコクリと頷いた。
ああ、また赤面していく…


