「あなた、春樹の何?」
…やっぱり。
あの頃と同じ。
そして、理不尽な苦痛が降り懸かるんだ。
相沢くんのことを呼び捨てにしている。
でも、相沢くんは昨日、彼女はいないって言っていたからその心配はないはず。
彼女じゃないにしても、それくらい親しい仲の人ってことだよね。
私、何を言われるんだろう。
何をされるんだろう…
中学の経験から大体の予想はつくけれど
私は俯いて、強く瞼を閉じた。
「…」
「私、南 沙枝」
「…はい」
名乗られても存じませんが。
あれ?
でも沙枝って…
「春樹のいとこ」
彼女は急に表情を柔らかくしてニッコリ笑った。
「…」
「びっくりした?!」
「…?!」
「シメラレルと思ったでしょ!?」
私は目を見開いて、パチパチと瞬きをした。


