「絶対、味方…って言ってくれたことが、今の私にはすごく力になってるんだと思う。だから、平気。ありがとう」
「…ぉ、おう!」
コレって十分な理由だよね。
早紀ちゃんが、相沢くんがそう言ってくれた。
それだけで
それが理由になる。
「藤沢。こっち来て、手、出して」
私は濡れた手をタオルで拭いた。相沢くんの所へ行って椅子に座った。相沢くんは私の手を取って出血している指の2ヵ所に絆創膏を貼ってくれている。
お母さん以外の誰かに手当てをしてもらうのも初めて。ましてやクラスメイトで人気者の相沢くんに手当てをしてもらうなんて、畏れ多いな。
緊張する…、また鼓動が高まっていく。
相沢くんの手が私の指に触れるから余計に。
「はは。指、震えすぎ」
「ご、ごめんなさい…!」
「緊張してる? これじゃ貼れないよ」
相沢くんは私の手を両手で握って震えを止めようとしてくれた。
「落ち着いた?」
ごめんなさい…脈、上がりました。


