「…ふ~ん」
「な、何?」
「それ、取って」
「嫌です」
「…何で」
叶くんは、メガネに手を伸ばす。
イヤ…ッ
私は目を瞑り、メガネを両手で押さえた。
「おい、幸村!!」
間一髪のところで、相沢くんの声が叶くんを止めた。
幸村…?
叶くんの下の名前って幸村っていうんだ…。
「春樹…」
「何してんだよ」
「何って自転車直してやっただけ」
「それは良いよ。今、お前藤沢のメガネ取ろうとしたろ」
「あぁ、何か騒いでるみたいだから。どんなものかと思ってね」
相沢くんは呆れた顔で言う。
「…二度とすんな」
「何なの」
「藤沢はメガネ外したくない理由があんだよ」
「…ふーん。ま、良いけど」


