――――――――
「何かご用ですか?レイさん」
広い部屋に煙草の煙が浅く広がる。
この匂いにももう慣れた。
「古川の件だけど、」
「…はい」
「もう本格的に捜査始めてから2年、何にも進展がない。」
「…」
「こうやって、17歳だったあなたを連れてきてまで捜査してもよ」
「…無理矢理入れてもらったのにお役に立てなくて申し訳ないです」
何度この人と一緒に危険な目に合っただろう。
何度同じ聞き込みをしただろう。
それなのに、ここまで何の進展もない…
さすがのレイさんも打つ手なしか。
「いや、そういう事じゃなくて…優秀なあなた迎えても進展がない、ということは、もう私達だけでは限界がある」
こんなレイさんは初めて見た。
限界とか、そんな事を口に出したことは俺の知ってる限り1度もない。
「つまり…」
.
