――5月

五十嵐茜。17歳。
高校2年生になって早1ヶ月。
新しいクラスにも馴染んできて平凡な毎日を送ってます。

「おっ茜ー!あれやってあれ!」

「また?今度は何?」

「コウがさっ!昨日友達と遊んでたって言ってたんだけど…怪しいんだよね…」

寂しそうにこっちを見る彼女は確信犯。

「ん~‥いいよ!でもこれで最後ね。」

「まぁそう言わずにさ。ね!」
はいはい、と返事をして恭子の彼氏のところへ向かう。

実は私、ちょっとした能力持ってて…まあ、こんな事にしか役に立たないんだけど。

両手で手のひら握ると、相手の昨日やってたことが少し分かっちゃいます。


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