君が弟、アタシが姉





アタシは颯と女将さんの声を聞いている。






「……」





女将さんが発した言葉になにも反応を示さない颯。








「颯……?」








「あ、あぁ。はい。またお邪魔します」






そう言った表情はとても切なげで、とても……悲しかった。







「でわ、また」






アタシと颯は車に乗って、その旅館を後にした。