アタシは颯の左手を取り、薬指にはめた。 「サンキュ、椛」 「颯ーっ……」 「なに泣いてんだよ」 「泣いてなんか…ないもんっ」 「嘘。ほんと素直じゃねぇな」 「うるっさいっ……」 「はぁ。…椛、旅館に帰ろうか」 「うん……」