「あなたのこどもはうつかもしれない」とかいう本がある。反抗期とうつ病の見分け方みたいな話。じつは、自分がけっこううつぽい。なので、「うつの子はゆっくり休ませてやれ」みたいなことが書いてあると、よろこんで自分が休んでしまう。
 「プチうつ」ということばがあるが、私のはゆうべから今朝11時半まではけっこうつらかったけど、忘れた手帳をゆうべ家で使ったことを思い出したとたんすっきりしてふつうになったなんてほんとにうつ病の人が見たらカンケイナイとおこりだしそうな程度なので、「ミニうつ」のほうがしっくりくるかも。
 それでも、たとえば、おさらを洗うのがおっくうで、たとえば、何年もまえの飲み会で、調子こいてえらそうなことを言ったのを思い出してはずかしくなって、たとえば、携帯電話の着信に気付いていないで、コールバックしたときには「もう今日は退社しました。」と言われたことを思い出して、ためいきついたり、「生きているのがつらい」ってつぶやいてしまったりする。
 薬ももらったけど、薬で持ち上げる(原始人なのか、暗示にかかりやすいのか、キクことはキクのだ)と、その分後で疲れるから、原則のまない。ただ、どうしようもないときは飲むことにしていて、今日も上記「すっきり」が来なかったら飲んでいたかもしれない。
 結局のところ、私の場合は、大したことは何もしていないのに疲れ、ずーっと寝てればいいのだけれど、そうもいかんからうつになるので、なったら寝てれば治る。もしかすると、うつは過労死をふせぐための警告かもしれない。だから、ほんとうの意味でカラダによいことという面からは、薬で治すのは考え物だ。
 でも、うつの薬を飲んでる人ってずいぶんいっぱい(たしか「ノルウェーの森」を買った人と同じくらいの何百万というオーダーではなかったか)いるらしい。そしてその中の数人は通り魔的な事件を起こしているらしく、厚生労働省あたりが、安易な投与を見直せとか言っているらしい。けど、タミフルも見直せとか言っていたと思ったら、新型インフルさわぎになったとたん備蓄せよとかに代わったし、社会にとってのメリットとデメリットの見極めは難しい。少なくとも、渡した薬を返してくれなどとは言われていないことは、私にとってはありがたいことだ。もしそんなことになったら、またそれが引き金になってどかんと落ち込んでしまうだろうから。