春海が苺果ちゃんに事のあらましを説明する。
苺果ちゃんは一通り聞いた後,
「もぅ解除したの?」
と聞いた。
ぁ
忘れてた。
誰もがそう思った(と思う)。
「今何時っ?!残り時間はっ?」
湖心が振り返り慌てて真心くんに聞いた。
「あと....3分」
「チッ」
湖心は舌打ちして,辺りを一瞬見渡すと,
「茜ッ背中に乗れっ!!」
っと怒鳴り指輪をはめ,素早く口付けを落とした。
茜くんは慌てて湖心の方に駆け出し,まだ煙も晴れない内に湖心の背中(?)に乗った。
とたんに物凄い速さで駆けながら煙から一頭の黒い毛並みが美しい馬が出てきた。
その背には茜くんが跨がり,しっかりと首を抱いていた。
心無しか茜くんの頬がうっすら赤かった。
湖心が何か2・3言茜くんに囁くと,茜くんはコクッと頷き,どんどん近付いてくる司会者のマイクを手に取った。
それを横目で確認して,湖心は急カ-ブを描き入り口に向かう。
私達もそれを見て慌てて外へ出ていった時には,湖心達は1キロ程の並木道を抜けた先の校庭にいるのが,かろうじて見てとれた。
残り時間約1分

