「ぇ,何でその3箇所なんですか?」
沙恵が聞いた。私もわからない。
その問に,真心くんが答えた。
「まずテ-ブルの上には料理があって俺達は匂いに惑わされる。それに色んな人が手をつけるから人の匂いも混じる。しかし多くの生徒やシェフが触れるから人目につきやすい。不審物を見つけたらガ-ドマンに言うだろうからここは消える。」
「次に...」
と明和くんが説明を始める。
「オ-ケストラの楽器も色んな奴らが触れるだろう。それに楽器自体が音を出すから聴力も駄目だ。..まぁ絶対音感の苺果なら楽器に何かが入っていたら直ぐに気付くだろう。優音もだ。でも気づかなかった。つまりそこも消えるな。」
皆の視線が自分に集まっている事に気付き千くんが仕方なく説明し始める。
「マイクは色んな人が持ち,尚且つ音を発する。それに司会は時間交代制で務めていたらしいし,さりげなくすり替えられる。只...優音がマイクを取ったときがちょうど入れ換えた直後だった為,多少不自然になってしまったらしい。」
ぁ...だからあの司会の人慌ててマイクを奪い返して予備を渡したんだ。
確かにあの動きは不自然だったな。
「そういえば!!」
優音が大声を出した。
「渡されたマイク,司会席のマイクよりすっごく軽くて,びっくりしたよッ」
確かに,優音は渡されたマイクを持った時,一瞬目を丸くしていた。
「決まりだな」
千くんが呟いた。

