残り30分をきり,皆が焦り始めた頃,千くんが起きて湖心に2言3言囁いた。
湖心も何か言って,再びキ-を物凄い速さで打ち始める。
そして,
「皆,集まって。」
と叫んだ。そんなに大声を出したら,その辺で未だに倒れて寝ている,数多の御子息,ご令嬢達が起きるのではないかと思ったが,大丈夫だった。
恐るべし,優音の催眠術。
とにかく,皆生徒達を踏まない様にして湖心と千くんの元に集まる。
「今,犯人の手口や仕掛け方,わざわざ予告をしたり残りの爆弾の数を教えたり,僕らの“力”をアバウトながらも知っているとすれば...」
「聴力,嗅覚はアウトになる場所と考えれば,数ヵ所に絞れる。その中で,犯人は“パ-ティ会場”に限定してきている為消去法でいけば--...テ-ブルの上,オ-ケストラの楽器,それから...」
と湖心の後を次いで千くんが言い,一呼吸おいて湖心,千くん,明和くん,真心くんが
「マイク。」
と言った。
残り時間13分

