異変を感じたのか,茜くんが近づいて来た。…そういえば男子メンバ-はあまり話さないなぁ…千くんは声すらめったに聞かないし,今も興味無さげに椅子に座って読書している。
私がボ-っとしてたら,茜くんが,
「どうした?大丈夫か?」
と声をかけてくれた。
「ぅ…うん。ちょっと疲れただけ。」
「無理しない方が良いよ。同種間テレパシ-も変身も相当体力使うし。」
「ありがとう。」
心配してくれるんだぁ…優しいなぁ…
私も心配ばかりかけられない。
とりあえず,立とう…
立ち上がった瞬間,激しい目眩を感じてふらついた。
そして,千くんの椅子にぶつかった。
ガンッ
…パシ
千くんは本を落とし咄嗟に片手で私を受け止めた。
…私より小柄なのに力あるなぁ……てか千くんが受け止めたなんて意外。
「重い。」
高くて低い声。まだ声が高い千くんの精一杯のすごみだろうか。
「ごめんッ;ありがと千くん。」
私は慌てて飛び退いた。
「別に」
千くんは本を拾いながらまた高くて低い声で言った。
「助けたくて助けた訳じゃない。」
ちょっと嫌な感じだけど,一応感謝。
やっとちゃんと立てる様になった。やっぱり疲れるなぁ…

