暫くして, 鷹がテ-ブルの下に来た。…明和くんだ。
「明和くん,これ…」
「梓。それを持って俺の背に乗れるか?」
「ぇ…?あ,はい。」
「乗れ。」
私は重い小箱を持ち上げ明和くんの背に乗った。
明和くんは
「捕まれ。」
とだけ言うと,ふわりと空中に浮き上がった。
きゃぁぁ―――
声にならない叫び声をあげ,必死にしがみつく。
は…早い-;;
ものの数秒でアリ-ナに着き,私は小箱を持って明和くんから降りた。
湖心が寄ってきて,ヒョイと小箱を持ち上げる。
「梓姫,お疲れ様。ありがとう。」
「ううん。まだ皆探してるから,私も行ってくる。」
再び走り出そうとした私を湖心が呼び止めた。
「待って。解除したらまた動きがあるかもしれない。それに5分以上変身し続けるのは負担が大きいよ。」
「…わかった。」
私は素直にそう言った。でも,変身の解き方がわからない。
「指輪に口付けするんです。ぁ…指にはめなくても大丈夫ですよ。」
私の心を呼んだかの様に沙恵が教えてくれた。
「わかった。ありがとう。」
私は早速指輪に口付けた。とたんに,辺りを煙が包む。目を開けると,私は元の格好でアリ-ナの床に座り込んでいた。
…立とうとしても,力が上手く入らない。汗がじんわり額に浮かぶ。

