私は早速1階のパ-ティ会場から見えない様にアリ-ナの端に移動して,座ると,自分の ネックレスについてる指輪を両手でぎゅっと握り,意識を集中した。
途端に,指輪から手を伝って,全身に何かが流込んでくるのが解った。
頭の中でそっと,「聞こえる?」と囁いた。すると沢山の甲高い声が返事をした。「聞こえるよ。」とか「うん。」とか返事は色々だったけど,私は今沢山の鼠達と繋がっていると思うと不思議な感覚だった。
私はまた,頭の中で囁いた。「あのね,皆にお願いがあるの。パ-ティ広間にね…」私は鼠たちに事のあらましを説明し,爆弾を探して欲しいと頼んだ。
鼠たちは暫くあれやこれやと相談しあっていたが,「いいよ。」「了解」「オッケ-」と様々な返事が返ってきた。私は「ありがとう。よろしくね。見つけたら教えて。」と言うとネックレスの指輪を離した。
すると五月蝿く頭の中に響いていた甲高い鼠の声は,嘘の様に消えた。
気づくと私は額にじんわりと汗をかいていて,身体が若干気だるかった。
結構体力使うんだ…でも,頑張らなきゃ。
私は決意を決め,指輪を指にはめ,口付けた。

