真輝の方にうつらうつらしてつい体を寄せてしまう。 かすかに意識がある武蔵は真輝の負担にならないように必死に自分の位置に体を戻そうとした。 「武蔵」 「ん…まだ」 「眠いならこっち来い」 そう言って無理矢理に肩におっかからせる。 「ん……」 まるで安心した子供のような寝顔にさすがの真輝も何も言えずに黙っていた。 (こいつの寝顔は色気も何もありゃしない) ただ、目的地につくまではゆっくりと休ませてやりたかった。