私の王子様-先生【完】




『神崎…?』



ビクッ



私以外いないこの教室に誰かが入ってきた。


誰かなんてわかる…


でもわかりたくない自分がいた…



足音がどんどん自分の方に近づいてきた。


そしてその足音は私の後ろで止まり


その人物は私の方に触れた…。



「神崎…?」

「なんですか?」



今一番会いたくない人。



“佐々木先生”



なんで目の前にいるの?



「カバン…」

「ありがとうございます」



差し出されたカバンを受け取る。


そうかカバン…


わざわざ届けにきてくれたのか。



会いたくなかったけど先生なりの優しさなんだと思う。