自分がわるいのに、イジワルしたくなっちまうなんて、俺って、アレなんだろーナ…。



てくてくとふたりで沈黙しながらあるいていると、トオルがきいてきた。
「ねぇ…。」
「ん?」
「どうして、わたしはここにいるの?」
「あ?おまえぼけたのか?」
「…どうして、わたしはここにいるの?…おしえて?」
「は?だから、留学してンだろ?」
なにをいいだしたのかわからない。
これ、ふざけてんのか?
「…そっか。ありがとう。」 は?ンー、ますます意味がわからない。トオルは自分のことくらい知ってるだろ?
なのに、なんでオレにきく? 「…トオル、疲れてンの?」 なにげなく、きいてみた。 「…。」
「…トオル?」
ハッと顔をあげて答えるトオル。
「へっ!?だっ!大丈夫だよっ!!」
そういいながらもあせっているのがわかる。
―。
ピタ。
トオルのおでこに手をあてる。 …ふつうだ。たぶん。
「あ…っ!ポール!?」
「むりすんなよ?」
とだけ、いってスタスタとあるきだすポール。
ひとりで考え事をするポール。