「みんなも知ってると思うけど、陸上部の顧問はクラブに関係ない門真の例を挙げてやたら部員にプレッシャーをかける。
それが気にいらない。
門真さえいなくなればそれがなくなると思ったんだ」



…何とでも言え。

内心、そう思っていた。



「一部の先生もやたら門真の肩を持つし…
ヒイキだよ、それって」

交野は堺先生を睨んだ。



先生はアルバムを取り出す。

アルバムを抜くと数枚の色紙も一緒に出てきた。



そこには何と。

拓海くんの写真と寄せ書き。



「門真さん、クラスに友達がいなかった時はいつも一人屋上でお昼ご飯を食べてた」

先生は色紙をパラパラ見ながら呟く。

「17年前もそこに座ってよくボーっとしていた子がいて。
雰囲気が似ていてビックリしたけど」



先生が言っていい?と言うから頷く。

隠す事でもないから。

その真実はあたしの原点だから。