「…やった!」

奏はコッソリ、ガッツポーズをしていた。

見て見ぬふりをする。



奏にとってむっちゃんは。

俺より歳も近いし、いい年齢差の妹が出来たって思ってるんだろうな。



まあ、別にいいけど。



ただ…それよりも。

むっちゃんのしょんぼりした顔を見ると。

俺も辛い。



結婚する事よりも、その前にある別れ…



それは俺も同じや。



もし許されるなら。

俺が大阪に帰る時に一緒に連れて帰りたい。

高校も編入すればいい。

レースだって出たいものは出させてあげる。



…でもそんな事は門真さんが許さない。