この想いを君に…3

そしてたどり着いたのは。

『K−Racing』

パパが経営するバイク店でもあり、あたし達が所属しているチームの本拠地。



「睦海、どうした?」

ちょうどお店の前でバイクを動かしていた、柏原 祥太郎が手を止めてあたし達に近付いてきた。

「…何でもない」

あたしはタオルで顔を拭くと笑ってみせた。

「何でもないって顔、してないけど?」

祥太郎はあたしの髪の毛をグシャグシャに撫でた…というか乱した。

「光さんなら、奥だよ」

「…別に会いに来た訳じゃない」

「…睦海、やっぱり何かあった?」

祥太郎はあたしの顔を覗き込む。

「いいから」

あたしはそう言うとお店の中に入っていった。