あたし、秋山 恋(あきやま れん)
常に学年首位。

只今―・・・自殺を試み中。
なんて・・・学校で自殺って、誰かに見つけてほしいのかもしんないけど・・・
教室で、どうやったら自殺できるかなんてわかんないけど・・・
とにかく、死にたい。
「どうやったら死ねるのかな」
あたしはボソリ呟いた。
「簡単じゃん?ここは一年の教室だから低いけどさ、屋上行って飛び降りれば死ねると思うけどー?ま、お前に勇気あんのかしんねーけどさ」
あたしは振り返った。
やっぱり。同じクラスの東雲 祐樹(しののめ ゆうき)だ。
「うるさい。ほっといてよ。」
そう言い放ってあたしは屋上に向かった。もちろん、死ぬために。

屋上―・・・
ガシャンッ
あたしは、驚きの光景を目の当たりにした。
・・・男子が、フェンスにのぼっていってる。
びっくりしたのと同時に、声がでてしまっていた。
「あのさー、死にたいんですかー?」
あたしはなにを訊いているんだろう・・・

その声に反応したのか、その男子がフェンスから降りてこっちを向いた。
見覚えのない顔だった。
「イヤ、賭けをしてたんだ」
賭け・・・?
「なんのですか・・・?」
そう訊くと、その人は苦笑いした。
そして、
「キミ、秋山 恋チャンだよね?オレ、浜夏 拓哉(はまなつ たくや)。」
と自己紹介した。
「・・・なんで知ってるんですか。」
というと浜夏 拓哉は爆笑した。
「なんで笑ってるんですかーッ」
なんだか、笑えてきた。
この時だけ、死にたいということをわすれていた―・・・