数日後。
その先生が、私に感想を言ってくれました。
「すごいね。あんな話が書けるなんて」
絶賛の言葉でした。
もちろん、お世辞もあったでしょうけれど、
一度選考から漏れている話でもあったので、
すごく嬉しかったです。

それから何ヶ月か経った、ある冬の日。
高校の生徒会誌の編集委員の
顧問の先生が、
私の所に来て、こう言いました。

「あの話、今年の生徒会誌に載せることにしたから」

…え?
…え!?
…え~~~っ!!!

ちょ、ちょっと待ってくださいよ!
その生徒会誌は、
全校生徒・教職員と、
来年度の新入生に配るものなのではっ!
えっと~、全校生徒が、
45人×27クラスでしょ~、
教職員が60人はいるわけだし、
新入生だって、8クラスあるらしいし、
PTA関係者やら地元のお偉いさんにも配るらしいから…
…もはや、計算不能。

「もちろん、書き直していいですよねっ!」
そう言った私に、その先生は、こうおっしゃいました。
「何言ってるのよ。もう印刷に入ってるわよ」
…撃沈。

かくして、自分の本意とはうらはらに、
私の書いたものが活字化されることになったのでした。

出すなら出すって、言ってくれればいいのに…。
なんで事後報告なのさ…。