留学生話をもうひとつ。

清瀬の人生の中で、
はじめて「日本人でない人」と出会ったのは、
小学校4年生の時。
「ヨーコ」という名の、
ドイツ人と日本人のハーフでした。
…成人するまでは、
日本国籍もある、というツッコミは
しないでください。

ヨーコは、生まれてから
ずっとドイツで暮らしていたそうです。
10歳の時、父親の仕事の都合で、
1年間だけ日本に住むことになりました。
会社の社宅が、
私の通っていた小学校の近くにありまして。
そんなわけで、
同じ小学校に通うことになりました。
それも、同じクラス!
今と違って、
普通の小学校に、外国の人がいるのが
ほとんどないような時代です。
ましてや、英語圏ではありません。
教師にも、児童にも、
とまどいがありました。

そんな中、
担任の先生から、提案がありました。
「自己紹介をドイツ語でしよう」

先生も、かなり苦悩したようです。
わざわざ、ドイツ語の辞書を買って、
単語を調べて。
「私の名前は○○です。好きな食べ物は○○です」
たったこれだけなのですが、
40人弱の児童全員が自己紹介できるよう、
奔走していました。