ああ
否定しないんだね。
でもそんなまーくんも好きだけどね。
「だったら、僕にもキスしてよ…ね?」
絡ませてた腕をさり気なく首に回した。
こういう台詞はストレートに言うのが良いんだよ。
もじもじするなんてまるで薫ちゃんみたいじゃないか。
「んな…無理だよ」
「薫ちゃんには出来るのに?」
「……いや……」
「じゃあ僕からするよ。いいよね」
「ちょっと、おまっ…んっ……」
積極的にキスを仕掛ける。
まーくんとはいつもこんなやりとりで始まる。
舌を口内に侵入させてまーくんの舌に絡みつく。
「ん…んっ…」
まーくんの両腕がやっと僕の腰を抱いてくれる。
僕はそれに応えるように体をまーくんに押し付ける。
舌と舌が絡み合う感触を確かめながらキスだけで限界まで身体に伝わる快感を貪る。
「まーくん…もっと、もっとしてよ」
甘えるような目で訴えかければまーくんは断りきれない。
「わかったよ…」
嫌がってる振りしたってわかってるよ。
まーくんだってしたい癖に。
「薫ちゃんにしてるよりもっと気持ちよくして…ね?」
無言でキスの続きをしてくれるまーくん。
誰もまだこないスタジオでいやらしい2人の音だけが静かに響いてる。
いいよね。
こんな1日の始まりって。
「おはよ、薫ちゃん」
薫ちゃんが来るとまーくんは当然のように薫ちゃんの方へ行く。
顔だって何でもない風を装って微妙に嬉しそうな感じ。
そんな小賢しい演技はすぐわかるよ。
そんな僕の大嫌いな薫ちゃんの相方でもある准一はスタジオの隅っこでこちらをちらりと見ながら書き物をしている。

